NEWS & COLUMN

正解を求める若者たち

コラム:2018/04/20

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

先週のコラムの冒頭で、4月初旬に、ある企業主催の新人研修に
トレーナーとして立ち会ったことをお伝えしました。

今日のコラムでは、この時に新人たちに接していて、
私が感じたこと・気づいたことについてお話したいと思います。

この時の私の役回りは、ロールプレイング時などに、
見ていて気づいたことをフィードバックしたり、
受講者からの質問に答えたりする、というものでした。

受講者からの質問で感じたことは、多くの受講者が、

正解を求めたがる

傾向にあるということでした。
例えば、それは、こんな質問からも感じ取ることができました。

「研修では○○を推奨していますが、●●の場合はどうですか?
また、▲▲の場合はどうですか?」

この時、■■や▲▲は、まず起こりそうにないレアケースです。

私は、このレアケースに対する解答を、彼らはあらかじめ用意しておきたい、
用意することで安心しておきたいのだろうな、ということを感じたのです。

誤解を恐れずに言えば、彼らは、これまで答えが常に用意された環境で育ってきたため、
正解がないと不安になってしまう、いわゆる「マニュアル世代」なんだな、と感じました。

このような質問を何度も受けたので、終盤にはこんな回答をしました。
(決して怒ったりキレたりしたわけではありません 笑)

「起こる可能性の低いことをあれこれ考え、その答えを用意しておくよりも、
失敗を恐れず(=失敗しても良い)、まずは行動することを心掛けてみたら?」

質問をした受講者が、この答えに納得したかどうかはわかりません。
しかし、私が伝えたことは経験的に間違っていないと思っています。

続けて、彼らには、こんなエールを送りたいと思います。

「社会はね、正解はひとつでないことの方が多いんだよ。
行動した先に、きっと自分の納得する答えが見つかるものだよ。」

「卒を視ること嬰児の如し」

コラム:2018/04/13

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

4月に入り、すでに2週間が経過しようとしています。

私は4月初旬に新入社員のトレーナーとして、
ある企業主催の新人研修に立ち会うことができました。

期待と不安を抱えた彼らの表情を見ながら、
一方で私は、社会人の先輩としての立場から、
『孫子』「地形篇」にある一節を思い浮かべていました。



「卒を視ること嬰児(えいじ)の如し、故にこれと深谿(しんけい)に赴くべし。
卒を視ること愛子の如し、故にこれと惧(とも)に死すべし。」

[将軍が兵士を治めていくのに]兵士たちを赤ん坊のように見て
[万事に気をつけていたわって]いくと、それによって兵士たちといっしょに
深い谷底(危険な土地)にも行けるようになる。
兵士たちをかわいいわが子のように見て[深い愛情で接して]いくと、
それによって兵士たちと生死をともにできるようになる。



コラム『孫子』の回において、ここ2回程「将(=リーダー)」について触れていますが、
「卒を視ること嬰児(えいじ)の如し」は、まさに、リーダーがメンバーに対して
最初に持つべき姿勢なのかもしれません。

つまり、リーダーはメンバーに赤ん坊のように接する(=思いやりを持って接する)ことで、
そこに信頼関係が生まれ、彼らもやる気を出してくれる、と言えるのではないでしょうか。

「部下が言うことを聞かない」
「部下のやる気が感じられない」

と、もしあなたが嘆くのであれば、まずは、自分の部下に対して
「嬰児(えいじ)の如く」接することから始めてみても良いかもしれませんね。

もぐもぐタイムと『組織の成功循環モデル』

コラム:2018/04/06

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

新年度に入り、早くも一週間が経過しようとしていますね。
新しい環境に身を置かれた方々も、そろそろ落ち着かれた頃でしょうか。

私の場合、個人事業主として、普段はコーチングスクール運営や
パーソナルコーチング業に勤しんでいるわけですが、
この時期は、新人研修を始めとして研修関連の仕事が増えるため、
季節感を感じる時期でもあります。

特に、今年、数社に提案させていただいているのが「チームビルディング」。
いわゆる「組織力強化」のための参加型ワークショップ研修です。

これは、私が開発した商品を企業様に売り込む、というものではなく、
特定の企業様からヒアリングした内容を元にして企画・商品化すると、
テーマが自然と「チームビルディング」なっているというイメージです。

それだけ、昨今では「組織力」や「チーム力」の強化が
企業にとって急務であり、最優先課題でもあると言えるでしょう。

「チームビルディング」をテーマに研修を行う際、私が申し上げるのは、
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱している
『組織の成功循環モデル』の考え方です。

すなわち、組織が成功する(=結果を出す)ためには、以下4つの考え方と
順番(これが極めて大事です)が肝要である、というものです。

①関係の質
②思考の質
③行動の質
④結果の質

つまり、こういうことです。

始めに①「関係の質」を高めることで、相互理解が深まり、一緒に考えるようになる。
そうなると、メンバーは自分で気づくようになり、②「思考の質」が向上する。
そうなると、メンバーは自発的に行動するといった、③「行動の質」が向上する。
その結果として、④「結果の質」が向上する(=成果が出る)・・・、という具合です。

この話を聞くと、多くの経営者や管理職の方は納得できるようですね。

最近では、平昌オリンピックで銅メダルを獲得した「カーリング娘」達の存在を挙げると、
聞いている側は、より理解が深まるようです。

たしかに、彼女達は、ハーフタイム時に、いわゆる「もぐもぐタイム」を取り、
リラックスした雰囲気の中で、笑顔のあるコミュニケーションを徹底しました。
また、「そだねー」の言葉(あいづち)が象徴するように、
仲間を決して否定することなく、常に肯定的に受け止めることを実施しました。

彼女達の成功の鍵は、まさに『組織の成功循環モデル』の実践そのものにあった、
と言えるのではないでしょうか。

自分>相手、現在>未来

コラム:2018/03/30

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

早いもので明日で3月も終了します。
2018年になってから早くも3ヶ月が経ちました。

そして、私のコラムも再開してから半年が経過します。
一週間に一回の更新とはいえ、よく継続できました(笑)。

自身のペースからするとこのペースは程良いようです。
何事も「マイペース」でないと長続きはしないですからね。

さて、今日のタイトルにある、

自分>相手、現在>未来

これを見て、おおよそコーチらしからぬ表記である、
と受け止めている方もいらっしゃるかもしれません。

考え方としては逆であり、

自分<相手、現在<未来

ではないのかと。

たしかに、コーチのとるべきスタンスとしては、
「自分」よりも「相手(クライアント)」のことを尊重するべきだし、
「現在」よりも「未来」に焦点を当てることに重点を置くべきでしょう。

経験的に思うことですが、これを実践しようとすると、
優先すべきこととしては、これの逆になるのではないでしょうか。

つまり、「相手(クライアント)」のことを尊重しようと思ったら、
まずは「自分(の在り方)」が満たされている(整っている)べきだし、
「未来」に焦点を当てようと思ったら、まずは「現在」に向き合えないといけない。

それができて初めて、コーチはクライアントと対峙できるのでしょう。
そして、コーチとしてのパフォーマンスが発揮できるのでしょう。

そういう意味では、「自分にコーチをつける」という選択は最良なのでしょうね。
コーチもやはり人間ですから(笑)。

「仁と厳」は「アメとムチ」

コラム:2018/03/23

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

3月も終盤を迎え、関東や東海では桜の開花宣言が出されましたね。
とはいえ、ここ数日は曇りや雨が続き、春らしさが影を潜めています。
春は行楽や引越しなど、天候に影響されやすいイベントが多いもの。
どうか来週には、春らしさを取り戻してほしいですね。

さて、今日のコラムでは『孫子』を取り上げたいと思いますが、
内容は先回(3/9)掲載分に関連したことを書きたいと思います。

今日は『孫子』「行軍篇」にある一節を取り上げます(金谷 治 訳注『岩波文庫』)。



「卒未だ親附せざるに而もこれを罰すれば、則ち服せず。
服せざれば則ち用い難きなり。卒巳に親附せるに而も罰行なわれざれば、
則ち用うべからざるなり。故にこれを合するに文を以てし、
これを斉うるに武を以てする、是れを必取と謂う。」

兵士たちがまだ[将軍に]親しみなついていないのに懲罰を行なうと彼らは心服せず、
心服しないと働かせにくい。[ところがまた]兵士たちがもう親しみなついているのに
懲罰を行なわないでいると[威令がふるわず]彼らを働かせることはできない。
だから[軍隊では]恩徳でなつけて刑罰を統制するのであって、これを必勝[の軍]というのである。



ここで思い出されるのが、先回コラムでご紹介した『将とは、智・信・仁・勇・厳なり。』です。
すなわちリーダー(将)は、部下との接し方において、

仁:思いやりを持つこと
厳:厳しい態度で臨むこと

の両側面を持つことが大切であり、それらをバランスよく発揮して、
はじめて部下を統率することができるようになる、ということです。

平たく言えば、『リーダーは「アメとムチ」を使い分けよ』ということになるでしょうか。

「アメとムチ」はすでに私達にとって慣れ親しんだ言葉ですが、
これと同じ感覚が約2,500年前の兵法書に紹介されているという事実に驚かされますね。

完璧すぎる人はつまらない

コラム:2018/03/16

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

「完璧すぎる人はつまらない。」

昨日(3/15)、85歳の誕生日を迎えた母親が、
現在の私と同じぐらいの年代に、口癖のように言っていた言葉です。

当時、私の母は、通信業界最大手(と言えばわかりますよね?)の
女性管理職として愛知県のあるエリアの支局長を担当していました。

現在でいう、いわゆる「バリキャリ」で、当時、同社の女性管理職は
東海(愛知・岐阜・三重・静岡)で3~4名しかいないということでしたから、
仕事は相当忙しく、責任も重かったことが想像されます。

そんな母の生活スタイルは、朝7時前には家を出て、夜21時前に帰宅、
就寝はいつも0時を回っていたと記憶しています。

このように多忙な母を抱えた大石家ですが、補足しておきますと、
家事は公務員である父がしっかりと母をサポートしていましたし、
私と兄もそんな家庭事情をわかっていたので、手伝いはしないまでも、
「自分のことは自分で行う」という習慣が自然と身についていました。

そんな母が、口癖のように言っていた言葉が、

「完璧すぎる人はつまらない。」

当時は、自分が忙し過ぎることで、家事に「抜け漏れ」が出てしまうことを
このような言葉を使って正当化しているんじゃないの、と思っていましたが(笑)、
最近になって、母の言っていたことがだんだんと理解できるようになってきました。

どういうことがきっかけになったのか説明しますね。

そもそも、私がコーチとして大切にしていることのひとつに、
コーチとしてのプレゼンス(存在感・影響力)というものがあります。
プレゼンスがあるからこそ、コーチはクライアントに良い影響を与えるのだし、
結果として、良いクライアントがつくのだと思います。

だからこそ、私は、これまでコーチとしての「あり方」に注意を払ってきましたし、
常にクライアントのロールモデル(=模範)であろうとしてきました。

それはそれで間違ってなかったと今でも思っているのですが、
一方で、最近、ある女性コーチからこんな指摘を受けたのです。

「先生(←彼女は私のことをこう呼びます)は、もっと、
弱いところを見せたり、毒を吐いたりしても良いと思いますよ。
それが、バランスを取り、"らしさ"をつくるのだと思います。」

この発言を聞いた瞬間、私にしばらく忘れていた母の言葉が鮮明に甦り、
母の言葉の「正しさ」を今更ながらに理解するに至りました。

決して、自分を甘やかすつもりはないけれど、自分の信念を大事にしつつも、
時には自らに言い聞かせても良いのかな、と今は思っています。

「完璧すぎる人はつまらない。」

「将とは、智・信・仁・勇・厳なり。」

コラム:2018/03/09

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

3月に入り、日差しもずいぶんと暖かくなりましたね。
装いも、マフラーやコートを着用している人も少なくなり、
見た目にも春の訪れを感じさせてくれます。

春の訪れを感じさせるものと言えば、花粉症もそうですね。
先日、マスクを着用せずに外出したところ、ひどく後悔をしました(笑)。

個人的には、この4月から登壇する機会も増えてくるため、
花粉症対策にはより一層の強化を図る必要がありそうです。

私が企業様などで登壇する場合、組織のリーダーやリーダー候補の方に、
「リーダーのコミュニケーションのあり方」などを話すことが多いのですが、
『孫子』においても「リーダーのあり方」について述べている箇所があります。

代表的なものは「始計篇」にある下記の一節です(金谷 治 訳注『岩波文庫』)。



「将とは、智・信・仁・勇・厳なり。」

将とは、才智や誠信や仁慈や勇敢や威厳(といった将軍の人材)のことである。



このままでだと未だ分かりにくいので、『「孫子の兵法」がわかる本』(三笠書房)
の著書である守屋洋氏の力を借りて、もう少し読み込んでみます。

智:勝算のあるなしを見分ける力
信:嘘をつかない、約束を守ること
仁:(部下に対して)思いやりを持つこと
勇:勇気、または、決断力
厳:(部下に対して)厳しい態度で臨むこと

このことから私なりに学んだ2つのことを挙げてみたいと思います。

・言葉(漢字)の持つ意味を正しく解釈すること
・リーダーは「バランス感覚」が大切であるということ

私の場合、この学びだけがあるだけでも、登壇する際、
リーダーに対する伝え方に変化が起こりそうです。

小平奈緒選手の思考力と言語力

コラム:2018/03/02

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

17日間にわたる平昌オリンピックがついに閉幕しましたね。
私達に「勇気」と「感動」を与えてくれた日本選手達には、
心から「ありがとう」と言いたい気持ちです。

特に今回は、冬季オリンピックとしては歴代最多のメダル数を獲得しました。
2年前のリオデジャネイロオリンピックでもそうでしたが、
ここ最近、若手を中心に国際舞台で活躍できる選手達が増えて来ていることは、
2年後の東京オリンピックへの期待を大いに抱かせてくれますね。

さて、平昌オリンピックでは、メダルの獲得数に比例するかのように、
感動的な場面が数多く見受けられました。

皆さんはどんな場面が印象に残っているのでしょうか?

私は、コーチという仕事柄、選手達のインタビュー時における「言葉」に注目していました。
中でも、スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手の思考力や、
それを言語化する能力には驚かされました。

特に印象に残っているのが、彼女の以下の言葉です。
たしか、レースを終えた当日か翌日に、記者団から
インタビューを受けている時の言葉だったと記憶しています。

「金メダルを獲得したことよりも、(この結果を受けて)
これからどういう人生を歩んでいくかが大事だと思っている。」

彼女のこの言葉は、まるで、

「オリンピックは人生におけるひとつの『目標』であって、生きるための『目的』ではない。」

と言っているようにも聞こえてきます。

並のアスリートの言葉ではありませんよね(^_^;)。

ところで、コーチもまた、クライアントと対峙する際、
このことと同じような感覚を持つことがあります。

すなわち、クライアントは、コーチングを通じて、
イキイキとした豊かな人生を送ることが目的なのであり、
目の前の目標を達成することや課題を解決することは、
ひとつのマイルストーンに過ぎず、人生の本質ではない。

ということと、同じことのような気がするのです。

小平選手のような一流のアスリートの思考や言動から学ぶことは多いですね。

・・・最後に余談ですが、小平選手の金メダル獲得直後に、
某局のアナウンサーが彼女に対して発した言葉を覚えていますか?

「"獣"のような走りでした。」

これに対して、小平選手は苦笑しながらも、適切な言葉で言い換えていました。

「"獣"かどうかはわかりませんが、"躍動感"溢れる走りができたと思います。」

小平選手には、このような言語力があるからこそ、
前述のような上質な思考力を持つことができるようになるのでしょうね(^_^)。

「兵とは詭道(きどう)なり」

コラム:2018/02/23

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

平昌オリンピックが盛り上がりを見せていますね。

若い選手を中心に、期待どおり(いや、期待以上か)の活躍を見せてくれる日本選手達。
若い選手の活躍には、2年後の東京オリンピックへの期待を抱かせてくれますね。

今回特に注目を浴びたのは、昨年11月のケガから見事に復活を果たした羽生結弦選手でしょう。
ショートプログラムとフリープログラムの演技は圧巻で、堂々の金メダルを獲得。
日本だけではなく世界中の人々をも感動の渦に巻き込んだのではないでしょうか。

誰もが羽生選手の優れた身体能力と強靭なメンタルに感服する中、
私は彼の行動に(失礼かもしれませんが)『孫子』の以下の言葉を思い出していました。

「兵とは詭道(きどう)なり」

この一節は『孫子』の第一「始計篇」に紹介されています。
「詭」とは、「いつわり欺(あざむ)く」の意味で、
正常なやり方に反した相手の裏をかく仕業のことです(金谷治 訳注『岩波文庫』)。

では、羽生選手のどこが「詭道」だったのか? 
もう少し補足が必要ですね。

あくまで私なりの解釈ですが、私は、彼がケガをしてからオリンピック開幕直前までの
一連の行動が、まさに「詭道」であったように感じています。

すなわち、一切、公の場に出ることもなく、復帰に向けて黙々とリハビリと練習に取り組んでいたことが、
(本人にそのつもりはなくとも)敵(周囲)の判断を惑わし、油断をさせたのではないか、ということです。

これに関連して、私は、かつて中日ドラゴンズの監督を8年間務め、
その間、3回のリーグ優勝と1回の日本シリーズ優勝をもたらした落合博満氏の存在を思い出します。

私は中日ドラゴンズの大ファンですので、その辺りの事情はよく知っているのですが、
彼の監督在任中は、チームや選手の事情は驚くほど口外されることはありませんでした。
それは監督である彼だけでなく、選手やチーム内にも浸透していたのではないでしょうか。

これによって、マスコミやライバル球団だけでなく、ファンさえも
「中日ドラゴンズ(落合監督)は、何を考えているかわからない」
と言うほど、周囲を惑わせたと言います。

その結果は、先述したとおりです。
私の推論ですが、落合監督は、きっと『孫子』を熟知していたのではないかと思われます。

オリンピックという大舞台でこの上ない成果を挙げた若きアスリートと、
かつて中日ドラゴンズを常勝軍団に仕立て上げた名将の姿に、

「兵とは詭道なり(=戦いとは"だまし合い"である)」

を感じられずにはいられません。

講師として私が大切にしていること

コラム:2018/02/16

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

2月も中盤に差し掛かり、寒さも少し和らいだ感がありますね。

この2月は、私が銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校の
レギュラークラスを開講してから、ちょうど一年となる節目の月でもあります。

この一年、「丸の内」というロケーションや交通の利便性なども手伝い、
おかげさまで、GCS地方拠点の中でもトップクラスの成績を収めることができました。
ただただ感謝の気持ちでいっぱいですね。

これに関連して、先日あるコーチの方から、こんな質問を受けました。

「大石さんが講師をする上で大切にしていることは何ですか?」

ちょうど一年前に別の方からも同じような質問を受けたなぁと、
当時のことを振り返りながら、以下のようにお答えしました。

【(コーチングの)講師として私が大切にしていること】

(1)講師(コーチ)としてのプレゼンス(あり方)

具体的には、言動や姿勢、立ち居振る舞いなど。
要するに、受講者から「この人から学びたい!」「学ぶ価値がある!」
と思っていただけるような存在感・影響力を醸し出す、ということです。

(2)コーチングセッションのような講義の実践

受講者が、講義の内容を自分事として捉え、積極的に参加してもらえるよう、
受講者と対話することや講師が自己開示することを心掛けています。

(3)講師自身が"その場"を楽しむこと

これは決して「独りよがり」という意味ではなく、
講師自らが"その場"を楽しむスタンスが大切だと感じています。
講師が楽しむことにより、受講者は「楽しく学ぶ」ことが可能になります。

特に(3)は、その場の雰囲気や、その時の自分の精神状態によって、
ついつい忘れてしまうことがあります。

そんな時、楽しめていない自分に気づいたら、とっさに自分に尋ねます。

「今、この場を楽しんでいるか?」

「兵は拙速なるを聞くも、未だ功久なるを睹(み)ざるなり」

コラム:2018/02/09

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

暦の上では立春を過ぎましたが、まだまだ寒い日が続きますね。

今日、2月9日は、語呂合わせから「肉(29)の日」とも言われます。
体調管理が難しい季節でもありますが、肉料理を食して、
滋養強壮に務めるのも良いのではないでしょうか。

さて、今日は、中国古典の『孫子』を紐解いてみたいと思います。
今日の一節はこちらです。

「兵は拙速なるを聞くも、未だ功久なるを睹(み)ざるなり」

古典やビジネス書にも紹介されることの多い一節ですから、
ひょっとしたら、ご存知の方も多いかもしれません。

この一節は『孫子』の第二「作戦篇」に紹介されています。
意味としては以下のようになります(金谷治 訳注 岩波文庫より)。

「戦争には拙速ーまずくともすばやく切りあげるーというのはあるが、
功久ーうまくて長引くーという例はまだ無い。」

孫子の主張は、「できれば戦争は起こさないほうがいい」のであり、
「戦争はできるだけ早く切り上げたほうがいい」というものです。

その背景には、戦争は国の経済に深刻な影響を与えるものだからであり、
長引かせるほど国力を無駄に消耗させてしまうものだから、という考え方があります。

ここで、この一節から読み取れるビジネス上の教訓を考えてみたいと思います。

大局的に見れば、「事業が上手く進まない場合には、下手に長引かせることを避け、
勇気を持って早めに撤退せよ」ということが言えるかもしれません。

また、日常的な光景で言うならば、「商談が上手く進まない場合には、
サッと切り上げて、(作戦を練ってから)出直せ」ということになるのかもしれません。

特に後者に関しては、私がサラリーマン時代に上司からよく言われた言葉でもあります(^_^;)。
戦争もビジネスも「本質」は変わらないのかな、とあらためて感じています。

「自己開示」と「就職活動」

コラム:2018/02/02

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

1/19付のコラムで、『「被写体になる」という最強の自己開示』
について書きましたが、実はこれが、予想以上に反響がありました。

■1/19付コラムはこちら
http://coaching-en.com/column/2018/01/post-25.html

内容について共感してくれる人もいれば、画像にインパクトがある、という人も(笑)。
まあ、いずれにせよ、反響があることは喜ばしいことです(^_^)。

さて、今日のコラムでは、先回(1/19)に引き続き、
「自己開示」のことについて取り上げてみたいと思います。

この「自己開示」については、私が講師を務める銀座コーチングスクール(GCS)でも
自己基盤を築く上で重要なポイントとして挙げています。

具体的には、GCSでは、コーチングが機能する条件として、
4つの要素(スキル・信頼関係・コーチングマインド・自己基盤)を掲げていますが、
一番の土台(基礎)となる「自己基盤」については、
以下の3つのステップを踏むことによって強化されると説明しています。

①自己理解
②自己承認
③自己開示

このことは、通常、コーチング体験講座やレギュラークラスの中で触れるのですが、
ある時、コーチング体験講座に参加された受講生さんからこんな指摘を受けました。

「このステップは、ちょうど就職活動に似ていますね。」

受講生さんが言いたかったことは、つまりこういうことです。

①自己理解・②自己承認 ⇒ エントリーシートまたは履歴書を書くこと
③自己開示 ⇒ 面接を受けて、自分のことを話す(開示する)こと

皆さんにも経験があると思いますが、就職活動において「自己開示」を続けた結果、
最初と最後の面接を比べると、明らかに自信満々になっている(=自己肯定感のある)
自分に気づいたことがあるのではないでしょうか。

まさにこれは、「自己開示」を続けた結果として自己基盤が強化された、
ということが言えそうですね。

先回(1/19)に引き続き、「自己開示」が自己基盤の強化につながる一例をご紹介しました。

「兵の形は水に象(かたど)る」

コラム:2018/01/26

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

今年の冬もインフルエンザが猛威を振るっていますね。
私の周辺でも3人、4人と影響を受けています。

かくいう私も、昨年末に一時体調を崩し、「ひょっとして、インフルエンザかも?」
と心配する場面がありました(結果的にはただの風邪でした)。

まだまだ寒い日が続きますが、皆さんもどうかご自愛くださいね。

さて、2週間前のコラムでは、『老子』の中にある言葉「上善は水の如し」
について触れましたが、実は『孫子』「第六 虚実篇」の中にも
「水」に関する記述があることをご存知でしたでしょうか?

以下、『孫子』(金谷治訳注 岩波文庫)より抜粋します。 



「夫れ兵の形は水に象(かたど)る。水の行は高きを避けて下(ひく)きに赴く。
兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地に因りて行を制し、兵は敵に因りて勝を制す。」

そもそも軍の形は水の形のようなものである。水の流れは高い所を避けて低い所へと走るが、
[そのように]軍の形も敵の備えをした実の所を避けて"すき"のある虚の所を攻撃するのである。
水は地形のままに従って流れを定めるが、[そのように]軍も敵情のままに従って勝利を決する。



『孫子』はそもそも兵法書なので、『老子』の「水」に対するニュアンスとは若干異なりますが、
根底には、水の特性とも言える「柔軟性」という考え方が共通して流れているのが面白いですね。

ここで、先の『孫子』の言葉を現代風に訳すのであれば、

戦い(ビジネス、戦略など)においては、敵(競合、得意先など)の態勢に応じて、
柔軟に変化しながら攻め(対応し)なければいけない

ということになるでしょうか。

決して独り善がりになることなく、相手の態勢に応じて柔軟に対応するということは、
特に変化の激しい現代においては、心に刺さる言葉ですね。

それにしても、『老子』といい、『孫子』といい、それぞれ中国古典が
「水(の特性)」に注目している点が興味深いところです。

これは、『孫子』が『老子』の影響を受けているとも考えられますが、
中国本土を流れる長江の影響も少なからずあるのではないかと思っています。

すなわち、中国人にとって長江は、柔軟性を持つ「水(川)」でありながらも、
雄大で力強い圧倒的な存在感を示しているからではないでしょうか。

「被写体になる」という最強の自己開示

コラム:2018/01/19

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

今から1ヶ月程前の話ですが、プロフィール写真を撮っていただく機会がありました。

いや、正確には、プロフィール写真撮影に臨むクライアントさんの立ち会いをした際に、
写真家の方の配慮から何枚か撮っていただいたのです。

もともと被写体になるつもりはなかったので、服装や髪型も適当でしたし(笑)、
心構えとしても「被写体モード」になっていなかったのですが、
写真家の方の技術とセンス、また、巧みなコミュニケーション力により、
ひとときモデル気分を味わうことができました。

撮影場所は東京丸の内界隈、時間帯は日曜日の午前中でしたので、
人混みはないだろう・・・と思いきや、結構な賑わいがありました
(観光客が多かった印象を受けました)。

昔であれば、そのような環境下で写真を撮ってもらうことに躊躇したのですが、
そこは、コーチとしての自己基盤が強固になってきているからでしょうか、
多少の照れ臭さから始まった撮影は、途中から、楽しく・気持ちよくなり、
わずかな時間ではありましたが、大変満足度の高い時間を過ごしました。

数日後、現像した写真を何枚か見せていただき、
気に入った写真を自身のFacebookのプロフィール写真に載せることに。

実は、そこでも一瞬の躊躇がありました。
それは、その写真というのが、これまでよりパーソナル色の強いものだっからです。

「ふざけていると思われるのでないか。」
「クライアントが離れるのではないか。」

といった思いが私自身に過っていた時です。
奇しくもクライアントさんとのセッションの中で、
彼の言葉が、私を気づかせ、私の行動の後押しをしてくれました。

「今回、自分が被写体になって感じたことですが、
あの場所で楽しく過ごせたことは、とても自信に繋がっています。
ふだん、大石さんから自己開示することの大切さを学んでいますが、
まさにあの場面(被写体になること)は究極の自己開示ではないでしょうか?
さらに、その時の写真をFacebookに載せたら(自己開示したら)、
もう怖いものなしですね(笑)。」

ふだん「自己開示することが大切」と言いながら、プロフィール写真掲載に躊躇した私。
一方で、プロフィール写真撮影・掲載は「最強の自己開示」と語るクライアントさん。

クライアントさんにとても大切なことを気づかせてもらい、
今は、クライアントさんも私も、Facebookに堂々とその時の写真を載せています。

最後になりましたが、このような機会を演出してくれた
写真家の雨森希紀さんに心から感謝申し上げます。

◆雨森希紀さんのホームページはこちら
http://maran-don.net

とても素敵な方です。
プロフィール写真撮影を考えている方には超お勧めです。

「上善は水の如し」

コラム:2018/01/12

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

2018年になってはや10日が経過しましたね。
お正月気分もそろそろ抜ける頃でしょうか。

さて、2018年第2弾のコラムは、今日が第2週目ということで、
中国古典『老子』(注:『孫子』ではありません)の一文から、
今年の自分の「ありたい姿」について考えてみたいと思います。

「上善は水の如し」

この言葉は、近年「上善如水」という日本酒の銘柄になったこともあって、
ご存知の方も多いのではないでしょうか。

詳細を原文で読んでみます(守屋洋『世界最高の人生哲学 老子』より)。



「上善(じょうぜん)は水の如し。水は善く万物を利して争わず、
衆人の悪(にく)む所に居る。故に道に幾(ちか)し。」

最も理想的な生き方は、水のようなものである。
水は万物に恩恵を与えながら相手に逆らわず、人の嫌がる低い所へと流れていく。
だから、道のありように近いのである。



ここから読み取れることとして、守屋洋氏は2つのキーワードを掲げ、解説しています。

2つのキーワードとは、「柔軟性」と「謙虚さ」です。

まず「柔軟性」については、水というのは、丸い器に入れると丸い形になり、
四角な器に入れると四角な形になるように、相手に逆らうことなく、
相手の出方に応じてこちらの体勢を変えていくいう柔軟性を持っている、と言い、

「謙虚さ」については、水がないと地球上の生物は生存できない、
そんな大きな働きをしていながら、自らは低い所に向かって流れていく、
低い所は誰もが嫌がる場所だが、水はあえて人の嫌がる低い所に
身を置こうとする謙虚さを持っている、と言います。

なるほどな~、と納得するとともに、これはそのまま
コーチとしてのあり方にも通じるものではないかと思いました。

つまり、コーチはクライアントとの協働関係において、
クライアントがどんな人格であろうと、どんなテーマであろうと、
柔軟性をもって接することが求められるはずだし、
コーチだから偉いのではなく、コーチだからこそ、
クライアントを常に尊敬・尊重する謙虚さが求められると思うからです。

「上善は水の如し」

私の今年のテーマはこれに決めました。
いや、生涯のテーマになるのかもしれないですね。

「神様に手を合わせる」ということ

コラム:2018/01/05

新年明けましておめでとうございます。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

2018年最初のコラムです。2018年も昨年に引き続き、

第1・3金曜日 コーチング関連
第2・4金曜日 中国古典関連

という具合に、コラムを掲載してまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

今日は、毎年この時期に参詣している伊勢神宮に関連して、
「神様に手を合わせる」ことについて書きたいと思います。

実は、伊勢神宮には昨日(1月4日)行って来たのですが、
この日から仕事始めということもあり、スーツ姿の方もちらほらと見えました。

ちなみに、毎年1月4日は、歴代首相が伊勢参詣する日でもあるんですよね。
あいにく安倍首相にお目にかかることはできませんでしたが、
代わりにこの時期特有の(?)「大混雑」の洗礼を受けてまいりました。

話を戻し、「神様に手を合わせる」ことについて。

一般的に「神様に手を合わせる」ことについては、
多くの人がそれを良いことと認識し、また、励行しています。

実際、毎年この時期になると、相変わらず多くの人が初詣に訪れますし、
参拝せずとも、人は、いざという時に、(そこには居ない)神様に手を合わせます。

目的は、「ご利益を得たい」とか「神様に守ってほしい」ということなのでしょうが、
それ以外に、当事者が得られるものをあなたは考えたことがありますか?

初詣に限らず、毎日、「家の神棚に手を合わせる歴15年」の私からすると(笑)、
当事者が得られるものには、以下の2つが挙げられるような気がしています。

・「感謝する」心が育つこと
・継続力が身につくこと

いずれも経験則から言えることですが、私は毎日「神様に手を合わせる」ことにより、
これらのことが自然に身についたと感じています。その結果として、
独立してから今日まで何とかやって来れている、という自負があります。

もし、あなたに、2018年に叶えたいものがあるとすれば、最初の一歩として、
「神様に手を合わせる」ことから始めてみても良いかもしれませんね。

Good&Newリリース

ニュース:2018/01/04

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。

コーチングオフィス エンでは、本年も下記の3事業を柱に、
昨年以上に皆様のご期待に応えられるよう努力してまいります。

◆銀座コーチングスクール(丸の内校、他)の運営
◆企業研修・社員教育
◆パーソナルコーチング

本年も変わらぬご支援の程よろしくお願い申し上げます。

それを確実に行うためには何が必要ですか?

コラム:2017/12/29

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

今年も残すところあと3日となりましたね。
コーチングオフィス エンのコラムも今年最後の掲載となります。
忙しいあなたは、目を通している暇がないのかもしれませんが(笑)、
少々お付き合いをいただければ幸いです。

今年最後のコラムは、コーチングセッションにおいて普段私が実践していることで、
コーチや管理職の方などに有効と思われる手法のひとつをご紹介したいと思います。

※ここでは、私がお世話になっている銀座コーチングスクール(GCS)の
 テキストの内容を参考にお伝えしたいと思います。

コーチングセッションの基本的な流れとしては、テーマを確認した後に、

・ラポール
・発見
・行動

の順番で、コーチが会話を組み立てていきます。

大雑把に言うと、「ラポール」で、クライアントとの信頼関係を築き、
「発見」で、クライアントの頭を整理し、気づきを与え、
「行動」で、クライアントの行動を促す、というような流れとなります。

この最後の「行動」では、コーチは具体的に、

「表情を見ていると、できるように感じます。」
「ぜひ、それをやってください!」

といった言葉をよく用いるのですが、この端的かつ明快な伝え方によって、
クライアントの意欲を瞬間的に高め、やる気を引き出すことができるのです。

私の場合、これらの言葉に加え、以下のような言葉(質問)をよく用います。

「それを確実に行うためには何が必要ですか?」

経験則で言いますと、これがクライアントには結構効き目があるようです。
信頼関係ができていなければ、ただの意地悪な質問ですね(笑)。

この質問を受けると、クライアントは苦笑いしながらも、
概ね、自分ができる範囲の無理のない「最適解」を見つけることができるようです。

コーチや管理職の方からの相談事項のひとつに、
「クライアント(部下)に必ず行動してもらうための、最適な一言がみつからない」
というものがありますが、これがその解決になるのかもしれませんね。

ところで、新しい年を迎えるにあたり、あなたはきっと2018年の目標を定めているはず。
それが実行できるかどうかは、どうかご自身に尋ねてみてください。

「それを確実に行うためには何が必要ですか?」

労少なくして功多し

コラム:2017/12/22

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

今年も残すところあと一週間あまりとなりましたね。
先週のコラムにも同じようなことを書いていますが、
今年一年を振り返るとともに、来年に向けての行動計画を立てている方も多いと思います。

私自身、今年一年を振り返ってみると、
銀座コーチングスクール(GCS)丸の内校の運営が堅調であったこと、
また、企業研修やパーソナルコーチングの数が増えたことが収穫でした。

2016年に定めた2017年の私の漢字一字は「熟」というものでしたが、
これは「熟(こな)す」という意味を込めてのものでした。

結果的には、クラスやパーソナルコーチングの数を熟(こな)し、
熟(こな)したことで、何となく自分のスタイルを確立できた、
そんなことを感じる一年だったように思います。

そこで、来年に向けて、どのように行動しようかと考えた時、
ひとつのヒントになる一節が『孫子』の中にありましたので、
ここでご紹介しておきたいと思います。

以下、『孫子』(金谷治訳注 岩波文庫)より抜粋します。 



「攻めて必ず取る者は、其の守らざる所を攻むればなり。
守りて必ず固き者は、其の攻めざる所を守ればなり。」

攻撃したからには必ず奪取するというのは、敵の守備していない所を攻撃するからである。
守ったからには必ず堅固だというのは、敵の攻撃しない所を守るからである。



このこと(特に前段部分)をビジネスの場面に置き換えてみると、

「人と違うこと(やらないこと)をやれ」

ということになるかもしれません。

今どきの言葉で言えば「レッドオーシャン」から「ブルーオーシャン」戦略の変更であり、
『孫子』研究者の守屋洋氏の言葉を借りれば(『孫子の兵法がわかる本』三笠書房より)、

「労多くして功少なし」となるビジネスを選ぶのではなく、
「労少なくして功多し」となるビジネスに注目せよ。

ということになるでしょうか。

「労少なくして功多し」のビジネスをするためには、大きな戦略面の変更でなくても、
たとえば小さな戦略面、あるいは、戦術面の変更であっても良いかもしれません。

まずは「人と違うこと(やらないこと)をやれ」を念頭に入れ、
来年の行動計画を立ててみようと思います。

来年の漢字一字

コラム:2017/12/15

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

12月も残すところあと半月となりました。
今年一年の振り返りとともに、来年の目標を定めている人も多いと思います。

「来年の目標を定める(=目標設定する)」上で、毎年私が行っていることが、
来年の目標を漢字一字で表すということです。

来年の目標を漢字一字で表すことで、そこに目標が凝縮されるため、
忘れにくく、かつ、ブレにくい目標設定方法だと感じています。

私は、2010年から「来年の漢字一字」を毎年この時期に設定しています。
ちなみに、これまでの「来年の漢字一字」を並べてみますと、以下のようになります。

2011年(設定は2010年) 挑
2012年(設定は2011年) 継
2013年(設定は2012年) 躍
2014年(設定は2013年) 進
2015年(設定は2014年) 創
2016年(設定は2015年) 実
2017年(設定は2016年) 熟

ここで、それぞれの漢字に秘めた思いを全て語ることは割愛しますが、
振り返ると、総じて、設定した目標通りになっているということが言えますし、
加えて、(何となくですが)継続性があるということも言えそうです。

例えば、2011年は、プロコーチとして始動する"挑戦"の年になりましたし、
2013年は、コーチだけでなく講師としても"飛躍"する年になりました。
また、2015年は、プロコーチとして"創業"することができました。

このように、毎年、設定した漢字通りの一年になっていることを考えると、
自ずと毎年考えるようになりますし、選ぶ漢字もポジティブなものになります。

そこで、2018年の漢字一字をあらためて考えてみました。

2018年の私の漢字一字は、"育"

"育"には、文字通り「(他者を)育てる」という意味がありますが、
もうひとつ「(自分が)成長する」という意味があります。

込めた思いとしては、
「自分が成長することで、(他者にも良い影響を与え)他者を育てる」

これは、すなわち、「コーチのあり方」そのものかもしれませんね。

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