投稿日:2025年07月01日 BLOG
私がプロコーチとして、また、コーチングの講師として活動してきた中で、幾度となく問われてきた問いです。なぜ「幾度となく」問われてきているのかと言えば、それはコーチングという対人支援サービスが、俗に言う「目に見えない商品」であるからだろうと思います。要するに目に見えない商品ゆえに「実態がよくわからない」ということですね。
コーチングを説明するとき、定義を用いて説明することはよくあります。たとえば、私がお世話になっている銀座コーチングスクール(以下GCS)では、コーチングのことを以下のように定義しています。
パフォーマンス向上のために、対話によって対象者を勇気づけ、"気づき"を引き出し、"自発的行動"を促すコミュニケーション・スキル
これは、GCS特有のものかと言うとそうではなく、長年、日本のコーチング業界で広く受け入れられてきた概念と言えます。ゆえに、コーチングの定義は、どのコーチングスクールにおいても大抵同じような表現になる、ということになります。
ちなみに、世界最大級の会員数を誇る国際コーチング連盟(以下ICF)では、コーチングを以下のように定義しています。
思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、コーチとクライアントのパートナー関係を築くこと
急に難しい表現になったと感じられるかもしれませんが、これは翻訳上の影響もあるかと思います。冷静に読んでみると、それほど難しくないことがわかるでしょう。
この2つの定義を見比べてみると、前者がコーチングを「コミュニケーション・スキル」と位置づけていることに対して、後者はその域を超え、「(コーチとクライアントとの)パートナーシップ」と位置づけていることがわかります。つまり、ICFではより広い(深い)概念でコーチングのことを捉えていると言ってよいでしょう。
私なりの考えですが、これは、対象者に応じて使い分けたらよいでのではないかと思っています。すなわち、対象者がコミュニケーション力の向上や人間関係の改善を考えている人なら、前者の説明で事足りると思いますし、もっと高いレベルでコーチングを極めたいとか、プロコーチとして活動していきたいと考えている人なら、後者の説明までしてあげたほうが親切だろうということです。
それでもよくわからないということであれば、コーチングスクールが主催している無料説明会等に参加されることをお勧めします。プロフェッショナルなコーチが、より丁寧でわかりやすい説明をしてくれると思いますよ。
詳細はこちら:GCS丸の内校の無料体験講座
現代人の多くは、必要な“モノ”は一通り持っています。
このことから、人々の欲求は、次第に“モノ”から“コト”へと移行しつつあり、それに連動するかのように、人々の価値観は、“結果”から“プロセス”へと移行し始めています。
現代においてコーチングが支持されるのは、私たちコーチが、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理できる専門家」だからと言えるのではないでしょうか。
コーチングオフィス エン代表 大石 典史