投稿日:2019年02月08日 コラム
こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。
自社の研修プログラムである『協働型リーダーシップ』が
昨年末頃から徐々にお問い合わせをいただいたり、
採用していただたりするようになりました。
『協働型リーダーシップ』の構成は、簡潔に言いますと、以下のとおりとなります。
■鍛える:部下に良い影響力を与えるための「人間力」を鍛える
■築く:部下との信頼関係を築く
■動かす:部下を巻き込み、主体的に動かす
研修では、それぞれのステップにおいて必要な知識とスキルをお伝えしていますが、
今日は、その中でも「動かす」の中にある「提案」スキルについて触れたいと思います。
「提案」スキルは、その名前のとおり「相手に議案や意見を提示すること」ですが、
このスキルを使用する際のポイントは、「選択権は相手にある」という前提を持つことです。
言い換えれば、相手に主導権を与えることで、「自分で決めた!」という思いを持たせることです。
ここで、『孫子(諜攻篇)』内にある下記の一節を読んでみたいと思います。
こちらには、この「提案」スキルを想起させるような言葉があります。
「凡そ用兵の法は、国を全うするを上と為し、国を破るはこれに次ぐ」
およそ戦争の原則としては、敵国を傷つけずにそのままで降伏させるのが上策で、
敵国を討ち破って屈服させるのはそれに劣る。
現代のビジネスシーンに置き換えると、人を動かそうとするならば、
相手の意向を尊重せずに、こちらから「指示・命令」するよりも、
相手の意向を尊重して、相手に決めさせたほうが行動に繋がりやすい、
ということが言えそうです。
もっとも、これは「指示・命令」を否定するものではありません。
緊急事態やトラブル対応時などは、むしろ「指示・命令」することを
徹底した方が良いだろうということは付け加えておきますね。
現代人の多くは、必要な“モノ”は一通り持っています。
このことから、人々の欲求は、次第に“モノ”から“コト”へと移行しつつあり、それに連動するかのように、人々の価値観は、“結果”から“プロセス”へと移行し始めています。
現代においてコーチングが支持されるのは、私たちコーチが、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理できる専門家」だからと言えるのではないでしょうか。
コーチングオフィス エン代表 大石 典史