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「始めは処女の如く、後は脱兎の如し」

投稿日:2018年06月22日 コラム

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

日本では梅雨空の鬱陶しい気候が続いていますが、
ロシアではサッカーワールドカップが開催されていますね。

ふだんはサッカーにあまり関心がない人(私も含めて)も、
この時ばかりは、日本代表選手の活躍を期待し、応援します。
どうか自分達の力を信じて、最後まで戦い抜いてほしいですね。

そんなワールドカップの開催で日本中が盛り上がる中、
先日、あるスポーツチームの監督と食事をする機会がありました。

その時の会話で、非常に興味深い話を伺うことができました。

彼の現役時代(あるいは監督になってからも)、試合前に、
相手に話しかけたり、弱音を吐いたりすることがあったというのです。
狙いは、自分にとって有利な情報を得たり、相手に油断させたりするためです。
結果として、それが決め手となり、試合に勝てたこともあったとのことでした。

時には、同じように相手に仕掛けられることもあったそうですが(笑)、
彼の競技において、情報戦・心理戦が繰り広げられていたことに軽い衝撃を覚えました。

実は、『孫子』の中にも、そのことを象徴するような言葉が残っています。
『孫子』九地篇(岩波文庫〈金谷 治 訳注〉)から紐解いてみたいと思います。



「是の故に始めは処女の如くにして、敵人 戸を開き、
後は脱兎(だっと)の如くにして、敵 拒(ふせ)ぐに及ばず」

こういうわけで、はじめには処女のように[もの静かに]していると、
敵の国では油断して隙(すき)を見せ、その後、脱走する兎のように
[するどく攻撃]すると、敵の方ではとても防ぎきれないのである。



このことは、以前書いたコラムに通じるものがあります。

◆「兵とは詭道(きどう)なり」
https://coaching-en.com/column/2018/02/post-30.html

「詭」とは、「いつわり欺(あざむ)く」の意味で、
正常なやり方に反して相手の裏をかく仕業のことを言います。

誤解を恐れずに言えば、戦いに勝つためには、時には相手を油断させたり、
欺いたりすることが大事である、ということが言えそうですね。

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今、なぜ、コーチングなのか?

現代人の多くは、必要な“モノ”は一通り持っています。

このことから、人々の欲求は、次第に“モノ”から“コト”へと移行しつつあり、それに連動するかのように、人々の価値観は、“結果”から“プロセス”へと移行し始めています。

現代においてコーチングが支持されるのは、私たちコーチが、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理できる専門家」だからと言えるのではないでしょうか。

コーチングオフィス エン代表 大石 典史

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