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「兵とは詭道(きどう)なり」

コラム:2018/02/23

こんにちは。
コーチングオフィス エンの大石です。
いつもありがとうございます。

平昌オリンピックが盛り上がりを見せていますね。

若い選手を中心に、期待どおり(いや、期待以上か)の活躍を見せてくれる日本選手達。
若い選手の活躍には、2年後の東京オリンピックへの期待を抱かせてくれますね。

今回特に注目を浴びたのは、昨年11月のケガから見事に復活を果たした羽生結弦選手でしょう。
ショートプログラムとフリープログラムの演技は圧巻で、堂々の金メダルを獲得。
日本だけではなく世界中の人々をも感動の渦に巻き込んだのではないでしょうか。

誰もが羽生選手の優れた身体能力と強靭なメンタルに感服する中、
私は彼の行動に(失礼かもしれませんが)『孫子』の以下の言葉を思い出していました。

「兵とは詭道(きどう)なり」

この一節は『孫子』の第一「始計篇」に紹介されています。
「詭」とは、「いつわり欺(あざむ)く」の意味で、
正常なやり方に反した相手の裏をかく仕業のことです(金谷治 訳注『岩波文庫』)。

では、羽生選手のどこが「詭道」だったのか? 
もう少し補足が必要ですね。

あくまで私なりの解釈ですが、私は、彼がケガをしてからオリンピック開幕直前までの
一連の行動が、まさに「詭道」であったように感じています。

すなわち、一切、公の場に出ることもなく、復帰に向けて黙々とリハビリと練習に取り組んでいたことが、
(本人にそのつもりはなくとも)敵(周囲)の判断を惑わし、油断をさせたのではないか、ということです。

これに関連して、私は、かつて中日ドラゴンズの監督を8年間務め、
その間、3回のリーグ優勝と1回の日本シリーズ優勝をもたらした落合博満氏の存在を思い出します。

私は中日ドラゴンズの大ファンですので、その辺りの事情はよく知っているのですが、
彼の監督在任中は、チームや選手の事情は驚くほど口外されることはありませんでした。
それは監督である彼だけでなく、選手やチーム内にも浸透していたのではないでしょうか。

これによって、マスコミやライバル球団だけでなく、ファンさえも
「中日ドラゴンズ(落合監督)は、何を考えているかわからない」
と言うほど、周囲を惑わせたと言います。

その結果は、先述したとおりです。
私の推論ですが、落合監督は、きっと『孫子』を熟知していたのではないかと思われます。

オリンピックという大舞台でこの上ない成果を挙げた若きアスリートと、
かつて中日ドラゴンズを常勝軍団に仕立て上げた名将の姿に、

「兵とは詭道なり(=戦いとは"だまし合い"である)」

を感じられずにはいられません。

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