投稿日:2026年04月24日 BLOG

「コーチに向いている人はどんな人ですか?」
コーチングをこれから学ぼうとされる方や、コーチングを受講中の方からしばしばいただくご質問です。
この質問の目的は、おそらく「自分がコーチに向いているかどうか」について、講師という専門家の立場の人から客観的な意見を聞きたいのだろうと推察します。
このご質問をいただくたび、私はある種の違和感を抱いてしまいます。
それは、仮に「(あなたは)コーチに向いていない」と言われたら、その道を断念するのか?という疑問です。おそらくそんなことはないだろうと思います。
ちなみに、私はプロコーチとして15年ほど活動していますが、学び始めたときも現在も「自分がコーチに向いているかどうか」など、一度も考えたことがありません(笑)。
大事なことは「コーチに向いているか」どうかではなく「コーチングが好きかどうか」ではないでしょうか。
ところで、中国古典の『論語』の中に以下のような一節があります。
私自身も普段から心に留めている大切な言葉です。
「之を知る者は之を好む者に如かず 之を好む者は之を楽しむ者に如かず」
(知っているだけの人は、好きでやっている人にはかなわない。
好きでやっている人も、心から楽しんでいる人にはかなわない)
これは、物事への向き合い方には大きく3つの段階があるという教えです。
簡単にまとめると、以下のようになるかと思います。
ここでは「楽しむ者」が最も優れている段階ということになります。
この一節に基づけば、それこそ「自分が(コーチに)向いているかどうか」を気にすることなど全く意味がない、と私は考えています。
ちょっと上から目線の言葉になってしまうかもしれませんが、もしあなたが(プロ)コーチを目指すのであれば、「自分がコーチに向いているかどうか」を考える前に、まずは「自分はコーチングが好きかどうか」を考えてみてはいかがでしょうか。
そこで「自分はコーチングが好き」ということであれば、あとはその感覚を最優先して、コーチングの学習や実践に邁進していただきたいと思います。
そうして多くの経験を積んでいく中で、「自分はコーチングを楽しめている(=コーチとして活躍している)」段階に到達していくのだと思います。
答えを急ぐ現代のビジネスパーソンに、戦略的に思考の「余白」をつくり出す。これこそが対話によるコーチングの醍醐味と言えるでしょう。
情報の波を留め、マインドフルに自分の内面に向き合う時間は、クライアントに表面的な答えを超えた納得感をもたらしてくれます。
人間だからこそ、プロコーチだからこそできる「本物の対話」が、クライアントの孤独を和らげ、次なる変容へと導いてくれるのです。
コーチングオフィス エン代表 大石 典史