投稿日:2025年11月28日 BLOG

「オンボーディング」という言葉をご存知でしょうか?
「オンボーディング(on-boarding)」とは、新しく会社や組織に加わった人材に、いち早く職場に慣れてもらい、組織への定着や戦力化を促すための継続的な取り組みを示す人事用語です。
となると、「では、社員研修やOJTと何が異なるのか?」という疑問が湧いてくるかもしれませんね。
オンボーディングや社員研修やOJTは、いずれも人材育成に関わるものですが、目的や範囲が異なります。結論から言えば、オンボーディングは社員研修やOJTを包括した概念と言えるでしょう。
それぞれを簡潔にまとめると、以下のようになるかと思います。
| オンボーディング | 社員研修 | OJT | |
|---|---|---|---|
| 目的 | 組織への定着・順応・戦力化(長期的に活躍できる土台づくり) | 業務に必要な知識やスキルの習得 | 即戦力化のため実務能力の習得 |
| 範囲 | 包括的(業務知識、人間関係、企業文化など全般) | 限定的(座学やe-ラーニングなど) | 限定的(現場の具体的な実務) |
| 期間 | 中長期的(数ヶ月~一年程度の継続的なサポート) | 短期的・集中的(数日~数週間) | 短期的~中期的(業務と並行して実施) |
オンボーディングは、新入社員(新人・中途)が「この会社で長く活躍したい」と思ってもらえるように、組織全体にスムーズに溶け込めるように支援する包括的なプロセスということができます。具体的には、研修やOJTの実施、メンター制度、定期的な1on1ミーティング、歓迎会など、入社後のすべてのサポート活動ということになります。
次に社員研修ですが、これはOff-JTとも呼ばれ、現場から離れて業務に必要な知識やスキルを体系的に学ぶ機会となります。具体的には、新入社員研修、階層別研修、e-ラーニングなどが挙げられます。
次にOJTですが、これは現場の実務を通じて、原則的には上司や先輩がマンツーマンで指導・育成する機会となります。具体的には、実務における資料作成、顧客対応、システムのオペレーションなどが挙げられます。
オンボーディングにコーチングを活かそうとするとき、ひとつの方向性が見えてくるかと思います。
それは、オンボーディングの目的が組織への定着・順応・戦力化であるならば、そのためには受け入れ側(上司や先輩など)の育成レベルを上げる必要があるということです。
つまり、一方的なティーチングや指示ではなく、受け入れ側が相手の成長を支援する高いコーチングスキル(傾聴、質問、フィードバックなど)を身につけることで、対象者の心理的安全性の確保やエンゲージメントの向上、さらには、目標の明確化や問題解決能力までを育むことができるようになる、ということです。
会社や組織のオンボーディングにコーチングスキルを活かしたいと考える方には、是非一度、GCS丸の内校の無料体験講座にお越しください。
現代人の多くは、必要な“モノ”は一通り持っています。
このことから、人々の欲求は、次第に“モノ”から“コト”へと移行しつつあり、それに連動するかのように、人々の価値観は、“結果”から“プロセス”へと移行し始めています。
現代においてコーチングが支持されるのは、私たちコーチが、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理できる専門家」だからと言えるのではないでしょうか。
コーチングオフィス エン代表 大石 典史