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「相互コーチング」に潜む罠

投稿日:2025年11月07日 BLOG

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「相互コーチング」とは何か?

「相互コーチング」とは、文字どおり、2名のコーチがお互いにセッションを提供し合うことを言いますが、私が所属している銀座コーチングスクール(GCS)では、これを実施することの意義を以下のように説明しています(以下、GCSウェブサイトよりン抜粋)。

「相互コーチング」とは、2名のコーチが互いに有料の価値があるセッションを提供し合い、料金を相殺することで実際の金銭の支払いを伴わないコーチングのことです。国際コーチング連盟(ICF)の認定資格取得要件である有料セッション経験時間数を満たすにあたり、「相互コーチング」も有料セッション経験時間数として認められます。

したがって、(民間の)プロコーチ資格を取得したものの、クライアントを獲得する機会が少ない、そもそも会社の規定で副業が禁止されている方などは、「渡りに船」とばかりにこの制度を活用するわけです。

実際、私も、プロコーチとして駆け出しの頃は、同じような境遇にあるコーチ仲間数名と、この制度を活用して有料セッション時間数をカウントしておりました(もっとも当時は、ICFの認定資格取得要件に組み込まれるとは思っておりませんでしたが)。

「相互コーチング」に潜む危うさとは?

「相互コーチング」は、たしかにICFにおけるセッション経験時間数の機会創出となりますが、実際にそれを実施しているメンティ(ICFメンターコーチングのクライアント)の話を伺っていると、時折その「危うさ」を感じることがあります。

ここでは、その「危うさ」というものを、私自身の経験も踏まえて幾つかご紹介したいと思います。

  1. フィードバックの質の低下
    相互にコーチ・クライアントの役割を交代するため、自分がコーチの時はクライアントからフィードバックを受ける立場になります。このことが影響して、自分がクライアントの時はコーチに対して深いフィードバックをすることを躊躇してしまう傾向がありますので注意が必要です。
  2. コーチングの質の低下
    コーチング契約において金銭のやり取りが発生しないことから、例えば、約束した日時を安易に変更したり、セッションで約束した行動を取らなかったり、といった緊張感の欠如がコーチングの質を低下させる恐れがあります。
  3. クライアント獲得ための意欲や能力の低下
    「相互コーチング」の恩恵を受けられる環境があり(例えば、GCSではそのような仕組みを構築しています)、そのことに甘んじてしまえば、あえて新規にクライアントを獲得しようとする意欲は生まれにくく、また、そのための能力も磨かれることはありません。

「相互コーチング」は意図を持って活用しよう

補足しておきますと、私は決して「相互コーチング」がいけないとか、やるべきではない、ということを主張しているわけではありません。むしろ、そのような機会があれば、積極的に活用するべきだと考えています。

ただ、「相互コーチング」を実施することは、上記に挙げたようなリスクが発生しやすい環境に置かれることだということを理解した上で取り組んでいただきたい、ということです。

プロコーチ資格取得後に「相互コーチング」ができる環境でコーチングを実施したいという方には、銀座コーチングスクール(GCS)がお勧めです。
まずはGCS丸の内校の無料体験講座にお越しください。

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今、なぜ、コーチングなのか?

現代人の多くは、必要な“モノ”は一通り持っています。

このことから、人々の欲求は、次第に“モノ”から“コト”へと移行しつつあり、それに連動するかのように、人々の価値観は、“結果”から“プロセス”へと移行し始めています。

現代においてコーチングが支持されるのは、私たちコーチが、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理できる専門家」だからと言えるのではないでしょうか。

コーチングオフィス エン代表 大石 典史

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