投稿日:2025年10月17日 BLOG
行動分析学とは、アメリカの心理学者 B.F.スキナーが提唱した心理学の一体系で、個人の行動とその周囲の環境との相互作用に焦点を当て、行動の法則を解明し予測・制御する学問のことです。
私がこのような学問の存在を知ったのは、今から10年程前、一年間にわたるコーチングセミナーに参加したときのことでした。
行動分析学の中に「好子(こうし)」「嫌子(けんし)」という用語があるのですが、そのとき、これらの要素がコーチングセッションにどのように作用するのかを学びました。
結論から申し上げると、私はこのことを知ったことで、その後のコーチングセッションが(良い意味で)大きく変化しましたので、本日のBLOGで一部を共有させていただきたいと思います。
それぞれの用語の意味は、簡単に説明すると、以下のようになります。
では、これらが、コーチングセッションのプロセスにどう関わるのかということですが、「好子」も「嫌子」もコーチのクライアントの言葉に対する"反応"と考えてみるとわかりやすいと思います。
つまり、コーチがクライアントの発する言葉に対して大きな反応をすると(好子)、クライアントの気持ちは強化され、高揚した気分で話すことができるということであり、反対にフラットな反応をすると(嫌子)、クライアントの気持ちは落ち着き、より冷静に話すことができるようになるということです。
例えば、あなたが仕事で大きな失敗をしてしまい、心にダメージを受けている状態だとします。そのことを友人に話した際に、おそらく友人は「好子」ではなく「嫌子」の反応をしてくれるのではないでしょうか?その友人の反応が「嫌子(の反応)」ということになります。
では、具体的に、これらをコーチングセッションのプロセスにどう活かすかということですが、答えとしては、「セッションテーマによって使い分ける」のが効果的だと思います。
つまり、クライアントのテーマが、目標達成型のテーマ(例:起業・転職、資格取得、ダイエット、など)であれば「好子」の反応を、問題解決型のテーマ(例:人間関係の改善、トラブル対処、など)であれば「嫌子」の反応をすることが、適切ではないかということです。
コーチングを学習し始めの頃は、フレームワークに沿ってセッションをすることのみに注意を向けがちになりますが、少し余裕が出てきたら、上記のような要素を取り入れてセッションを行ってみるもの良いと思います。
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現代人の多くは、必要な“モノ”は一通り持っています。
このことから、人々の欲求は、次第に“モノ”から“コト”へと移行しつつあり、それに連動するかのように、人々の価値観は、“結果”から“プロセス”へと移行し始めています。
現代においてコーチングが支持されるのは、私たちコーチが、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理できる専門家」だからと言えるのではないでしょうか。
コーチングオフィス エン代表 大石 典史