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古典とコーチング

投稿日:2015年09月05日 コラム

こんにちは。コーチングオフィス エンの大石です。

私は読書が趣味で、月にだいたい10冊程度は読むことにしているのですが、中でも最近ハマっているのが古典です。

古典と言ってもいろいろありますよね。
最近私が読んで面白かったなぁと感じた本は、中村天風の『運命を拓く-天風瞑想録-』、そして、今日取り上げる『論語』です。

『論語』は、言わずと知れた、紀元前5世紀頃の中国の儒教思想家である孔子の言行をまとめた書物です。
孔子の亡き後、彼の教えの再編を行う目的で、彼の弟子達によって編纂されました。

その『論語』の一節に、「コーチとしてあるべき姿」みたいなものを読み取ることができましたので、ここでご紹介したいと思います。

「子曰はく、弟子(ていし)、入りては則ち(こう)、出でては則ち(てい)、謹みて信あり。(ひろ)く衆を愛して仁に親しみ、行いて余力あれば、則ち以て文を学べ。」

意味としては、下記のようになります。

「若者よ、家庭では親孝行、社会では目上の者に従い、万事に注意して、約束を守る。人と広く交際し、人格者に親しみその影響を受ける。以上を実践して、なお力が余っていれば、本を読んで勉強しなさい。」

「仁」とは、人をいつくしむこと(=人格形成)。
『論語』の中で、「仁」と対比してよく出てくる「礼」とは、行動のきまりのこと(=学問)。
孔子は、学問で学ぶ「礼」は「仁」を基本に決まるものなので、「仁」を身につけずに「礼」を学んでもその本当の価値はわからない、と言っています。

ここで私は思わず唸ってしまいました。

私は、プロコーチとしての成功のカギは「スキルだけでなくプレゼンスの向上」を信条としています。
「プレゼンス」とは、その人の存在感や相手に与える影響力を示す言葉で、「人格」と読み換えることもできます。

ここで、『論語』の「仁」と「礼」を、コーチングの「プレゼンス」と「スキル」に読み換えてみるとどうでしょうか。
「人格」を形成することなく「スキル」だけ一生懸命学んでも、コーチングの効果は決して表れることはない、ということと同義となりますね。

自分の信条が古典に通じるものであることがわかり、コーチとしての自信がちょっとついた初秋の一日でした。

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今、なぜ、コーチングなのか?

現代人の多くは、必要な“モノ”は一通り持っています。

このことから、人々の欲求は、次第に“モノ”から“コト”へと移行しつつあり、それに連動するかのように、人々の価値観は、“結果”から“プロセス”へと移行し始めています。

現代においてコーチングが支持されるのは、私たちコーチが、「クライアントとパートナー関係を築くことにより、クライアントの目標達成までのプロセスを管理できる専門家」だからと言えるのではないでしょうか。

コーチングオフィス エン代表 大石 典史

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